2013年07月19日

2013年夏の冷却対策


今年の梅雨は、例年より早く開け、既に夏に突入した。
例年より長い夏となるので、その分、PCの冷却対策を万全にする必要があるだろう。

冷却対策は、PCパーツの温度上昇を防ぎ、発熱によるトラブルや故障からPCを守るために欠かすことはできない。
これは、今年の夏に限らず、毎年そうであるが、今年の夏は、例年の夏と異なる点がある。

それは、昨年末からの円安により、PCパーツの価格が上昇している点である。
昨年、一昨年の円高の時であれば、万一PCパーツが故障したとしても、PCパーツが安かったので、買い換えればいいという楽観的な考えも可能であったが、メモリを中心にパーツ価格が上昇した今年の夏は、故障して買い換える場合には高額となるので、そういう考えを持ちにくいことだろう。

この点で、今年の夏は、例年以上にしっかりした冷却対策をしなければならないはずである。
特に、メモリについては、昨年の2倍以上の価格になっているので、発熱によってメモリに故障、不具合が発生し買い換える場合には、2倍の価格で購入することになることを肝に銘じておく必要がある。
また、CPU、マザーボード、グラフィックカードについても、新製品が出たばかりなので、これらのパーツが故障した場合、旧製品に買い換えるならともかく、これを機に新製品に買い換えようとすると、思わぬ多額の出費となるだろう。

したがって、今年の夏は、例年以上に冷却を重視して、パーツを守らなければならない。

但し、パーツを守るためとはいっても、あまりにも多くのファンやファンコン等の冷却関連パーツを買い漁り、それに費用をかけすぎるのでは、むしろその費用が勿体無いと思うこともある。
夏を意識した適切な冷却対策、冷却関連パーツは必要であるが、特定の非常に暑い日に負荷が高い処理をしている時に対応できる十分な冷却性のために費用をかけるというのも経済的ではないと考えることもあるのではないだろうか?

よって、今回は、できるだけ費用をかけずに、暑く、しかもパーツ価格が高い夏を乗り切るための策を考えてみることにした。
しかし、かなり欲張りな考えなので、王道というよりは邪道な方法となる。
とにかく、9月上旬までなんとか乗り切れればいいというスタンスで書いてみることにする。

では、具体的にどうするかという話になるが、普通、冷却対策は、以下の項目に着目して実施することになるのでそれにあわせて述べていくことにしたい。


●吸気する空気の温度(室温

●吸気する空気の量(吸気風量/CFM)

●PCケース内の空気の流れ(エアフロー)

●排気する空気の量(排気風量/CFM

●吸気と排気のバランス(正圧・負圧)


まず、室温に関しては、空冷の場合、この温度がPC冷却の限界温度となるので、低ければ低い程良いのは当然のことである。
室温の空気をPCケース内に取り込んで冷却し、しかもPCパーツは動作中常に発熱しているので、室温よりPCパーツの温度が下がることはあり得ない。
どんなに風量を増やし、エアフローを工夫しても、室温により近い温度にできるだけで、決して室温以下にすいることはできない。
したがって、冷却対策の第一歩は、室温をいかに下げるかになる。
手っ取り早い方法は、エアコンを使用し、なるべく室温を下げることであるのは言うまでもない。
昨年、一昨年と比べれば、節電の制約は緩くなってきているので、PC使用時は少し低めに温度設定してもいいだろう。
但し、電気料金は上昇しているので、その点は考慮しなければならない。
室内も空気の循環があるので、室温といっても、全て同じではない。
特に、エアコン使用時は、エアコンの冷たい空気は下に流れ滞積するので、机の上よりは、床にPCを設置した方が、僅かかも知れないが、より低温の空気をPC内に取り込むことができるだろう。
また、扇風機やサーキュレーターを使用すると、エアコンの風をPCへ流すこともできるはずだ。
エアコン、扇風機を使用しない場合は、「部屋のエアフロー 換気扇を使って部屋を冷却する。」で書いたように、換気扇で部屋を負圧にして、開けた窓から外気を取り込む方法もある。
但し、この方法で効果があるのは、室温より気温が低い場合で、主に夜から明け方までの時間帯である。

以上のような方法をとると、少しでもPCケースに取り込む空気の温度を下げ、PCを冷却することができる。

続いて、吸気風量についてだが、これは当然、多い程良く、ファンの増設やファンの回転数をファンコン等で上げることで増やすことができるのは承知の通りだろう。
ただ、その前にやらなければならないのは、ダストフィルターとファンの掃除である。
ダストフィルターとファンに埃が溜まっていると、吸気する風量は減少する。
掃除をしばらくしていない場合は、まず掃除をして風量を上げておくのがいい。
また、風量については、ファンの増設やファンの回転数を上げることで比較的容易に増加させることはできるが、反面、静音性を害することになる。
しかし、夏の時期、特に猛暑の日の場合は、冷却性を最優先として、少々煩くなっても我慢できる範囲で、なるべく風量をアップした方がいいだろう。
なお、PCケースによっては、吸気ファンの増加ができない場合や、ファンコンを持ってない場合には、風量アップが難しいこともある。
この場合には、防塵性を無視する邪道な方法ではあるが、ダストフィルターを外して使用する方法がある。
通常、ダストフィルターを設置すると、フィルターの目の細かさにもよるが、15〜20%程度、ものによってはそれ以上風量が減少する。
よって、ダストフィルターを取り外すことで、風量はその分確実にアップするので、他に風量をアップする手段がなく、夏の間だけであれば防塵性を犠牲にしてでも冷却を重視したい場合には、検討してもいい方法かもしれない。
ちなみに、埃によって、PCの故障率が上がるのではないかという疑問を持つかもしれないが、ほとんど影響はないと考えていいだろう。
余程湿気がある埃が堆積してショートでもしない限りは、おそらく故障原因になるにくいと考えられる。
もちろん、埃があるよりはない方が故障のリスクは低いだろうが、1〜2ヶ月堆積しても大きな差はないはずである。
また、PCケースを掃除する頻度を増やす等運用で対処すれば、まず問題はないだろう。
したがって、夏の期間限定でダストフィルターなしで風量を増加させる方法は、他に風量をアップする手段がない場合の苦肉の策として、頭の片隅に入れておくといいのではないだろうか。

エアフローに関しては、PCケースのファン設置可能数や設置位置等によって選択できるエアフローは様々であり、また、優先的に冷却したいパーツやエアフローの基本思想等によって変わるので、ここで簡潔に説明することはできないので、これまでの記事を参考に各自検討してみて欲しい。
気密性が高い静音性重視のケースやメーカー製のデスクトップPCでは、採れるエアフローが限られることになるが、どうしても冷却が難しい場合は、これも苦肉の策で邪道な方法となるが、サイドパネルを開けて扇風機という原始的な方法に頼ってもいいだろう。
夏場の発熱による故障リスクを考えれば、なりふり構わず、より冷却できる方法を実行した方がいいはずである。
また、パーツをピンポイントで冷却したい場合は、直接パーツに風を当てるのが有効な方法であるので、最も温度上昇しやすいグラフィックカードを冷却したい場合には、サイドパネルにファンが設置できるならば、サイドファンを設置するといいだろう。
但し、風量が多すぎると、PCケース内のエアフローを乱し、グラフィックカードに当たった風が思わぬ箇所へ流れることもあり得るので、最も一般的なエアフローである前面から背面・上面へのエアフローを採用している場合には、前面ファンの風量より下げて補助的に使用するといいだろう。

排気風量についてであるが、夏場は、PCケース内の温度が上昇するので、とにかくケース内の熱をケース外に排気する点で排気風量は十分に確保しておく必要があるだろう。
但し、多ければいいというものでもなく、吸気風量とのバランスもあり、またスペックにもよるので、なかなか難しいが、目安として夏場は、背面1、上面1の2つは排気ファンで80〜100CFM程度は確保すると考えておくといいだろう。

最後に、吸気と排気のバランス、つまり正圧、負圧だが、防塵性を抜きにして冷却面だけを考えても、一般的に正圧の方が好ましいだろう。
負圧の場合、いったん排気した熱をケースのあらゆる隙間から吸気することがあり、これにより冷却効果が低下することもあるからだ。
よって、正圧にしておいた方がいいと言える。
しかし、正圧ならば常に良いとは限らない。
例えば、吸気ファンが1つ等、吸気量が少ない状態で、正圧化するために、吸気量よりも排気量を減らすというのでは、そもそもケース内を通過する風量が少なくなり、冷却性は下がることになるだろう。
したがって、冷却性の面で正圧化が効果があるのは、ケース内の熱を十分排気できるだけの排気量を確保した上で、それ以上吸気量にした場合である。
よって、排気風量で書いた通り、PCにのスペックにもよるが、目安として80〜100CFMくらいの排気量は確保した上で、それ以上の吸気量にするように心掛けるといいだろう。
ただ、夏場の場合、特に負荷が高い処理を行なっている場合、PCケース内やパーツの温度がかなり上昇し、とにかくケース内の熱を円滑にケース外へ排気しなければならないことがある。
その場合には、上でも書いたようにダストフィルターを夏場だけ外して吸気量を増やすことや、あるいは、排熱を再吸気しない程度の負圧にして排気量を増やす等、夏場限定の冷却最優先策を考えてみてもいいだろう。
防塵性等の問題は生じるものの、冷却効果は高くなるはずであり、特に、ファンの増設や風量の調整が困難な状況な場合には、限られた選択肢の中での有効な策となることもある。


以上、大まかに冷却対策を書いてみたが、真夏の特に暑い日、しかも負荷の高い処理を行う場合は、とにかく冷却性を最優先にし、冷却が十分でない場合には固定観念を捨てて、最善策を講じてみた方がいいこともある。
もちろん、基本は冷却パーツを揃え、原則にしたがった対策を講じるのが基本であるが、費用をかけずに急場をしのぐ場合には、現状で少しでも冷えそうなことを実行することも考えてみるといいだろう。
特に、パーツ価格が高騰している今年の夏の場合には、発熱でパーツを故障させた際には、例年より大きな出費となることを覚悟しておかなければならないので、尚更なはずだ。
夏は、冷却最優先が基本だが、今年の夏は、例年にもまして、冷却最優先であり、場合によっては静音性や防塵性を無視するくらいでもいいかもしれない。

とにかく、今年の夏は、パーツを暑さから守るしかない。

ラベル:PC 冷却
posted by PC_Considering at 19:30| エアフロー総論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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