2012年11月23日

理想的なエアフローのPCケースを考える。 その1


巷には数多くのPCケースが存在するが、なかなか理想的なPCケースはないものである。

エアフローの関しても、様々なエアフローを採用したPCケースがあるが、なかなかベストと言えるものはない。
ベストと言えるものがないならば、自分で考えてしまおうというのが今回の趣旨で、自分がPCケースのエアフローを企画するなら、こうするというものを書いてみたいと思う。

エアフローに関して言えば、既存のPCケースの中で最も優れているのは、SilverStone社のFT02等の煙突効果型のPCケースであろう。
しかし、このPCケースは、マザーボードを90度回転させているため、ケースの奥行きが長く、しかも、I/Oポートや拡張スロットが上面配置になる等、変則的なPCケースとなっている。
これで問題がないユーザーにとっては、煙突効果型PCケースがエアフロー的にはベストとなるが、他のユーザーからみれば、エアフローは良いものの使い勝手が悪いPCケースとなるだろう。
SilverStoneは、FT02の後、電源を前面に配置し奥行きの長さを短縮する試みをRV03で行ったが、短縮できた奥行きは僅かであり、しかも電源ケーブルやHDDの配置が特殊であったので、ただでさえ変則的であったケースがさらに変速度が増し複雑化して使いにくくなった。

この問題を根本的に変えたのが、TJ08-Eやこれから発売となるFT04、RV04である。
煙突効果型の発想を転換して、従来型の前面から背面へのエアフローに変更した。
煙突効果型PCケースで採用された「Air Penetrator」は直進型のファンであり、風の推進力が非常に強いので、熱気が下から上へ上昇する煙突効果を無視しても問題がない。
つまり、Air Penetratorを使えば、下から上へのエアフローでなくても、PCの内部が直線的なエアフローが実現できる構成になっていれば、十分ということになるのだ。
その考え方から、最もノーマルな前面から背面へのエアフローで、直線的なエアフローを実現したのが、TJ08-E、そしてFT04、RV04ということになる。

基本的にこれが変則度が少なく、エアフローも良いPCケースであり、PCケースのエアフローの最終形態と考えることができる。
しかし、私の考えでは、最終形態ではあるが、まだ完成度が低いように見える。
FT04、RV04は、あくまでTJ08-Eの拡張版であり、180mmのAir Penetratorを1つ増やしてATXマザーボードに対応したに過ぎず、問題点がいくつかある。

SilverStone-FT04.gif

上記の図は、FT04の内部構成の概略図である。
内部の完全な寸法がはっきり分からないので、正確とは言い難いが、写真を見て再現すると大体このような構成となっている。
見て分かるように、TJ08-Eに180mmのファンを追加した構成となっている。
この構成でも直線的なエアフローが実現できており、煙突効果型PCケースと比べて、標準的なPCケースに近い形態となっている。
基本的に、前面から背面への直線的なエアフローがPCケースのエアフローの最終形態と言っていいが、これではまだ不完全である。

完全ではないのは、以下の問題点があるからだ。

●マザーボードが倒立しており、変則的である。
●そのマザーボード倒立により、サイドパネルは正面右側開きとなり、I/Oポート、拡張スロットは逆さま配置となる。
●電源上置きのため、排熱をケース上面の電源吸気口から吸い込む恐れがある。

これは、TJ08-Eのファン追加版であるため、マザーボード倒立の影響をそのまま受けていることから生じている。
TJ08-Eでマザーボードを倒立したのは、ファン1つでマザーボードのCPUクーラーとグラフィックカードへ直線的に風を送るための措置である。
また、5インチベイがケース上部に配置するのが普通であるので、直線的なエアフローを実現するためには、マザーボードを倒立させる必要があったからである。
しかし、もはや、マザーボードの倒立に拘る必要性はない。
180mmファン2枚ならば、高さ360mmまで直進風を流すことができ、ATXマザーボード、または350mm近いE-ATXマザーボードも完全にカバーできる。
その点からみれば、マザーボードの倒立をする必要はない。
したがって、以下の図のように配置すればいいのである。

SilverStone-FT04-改1.gif

これであれば、マザーボードが通常の配置なので、右サイドパネルを開いたり、I/Oポート、拡張スロットが逆さまになることはなく、ノーマルなPCケースとなる。
ただ、問題は電源の配置で、この内部構成では、ケース背面からの排熱が上昇し、電源の吸気口からその排熱を吸気する恐れは解消できない。
よって、電源は下置きにするのが理想的である。
しかし、電源だけケース底面に配置すると、ケース寸法が高くなる。
FT04は高さが546mmであるので、電源を下置きにすると少なくとも650mm以上になる計算となる。
これでは、ケースを机の下に配置することが難しい場合が出て、CosmosAのように机の横に設置するしかないという不便さが生じることになるだろう。
そこで、現実的な方法としては、5インチベイも含めて下置きにすることが考えられる。

SilverStone-FT04-改2.gif

このように、内部の配置を工夫すると、問題点は全て解消できる。
単純に言えば、FT04を上下逆さまにしただけの内部構成である。
5インチべイが下置きになるのは、やや変則的であるが、5インチべイを使用する頻度は以前と比べて下がっているので、それほど影響はないのではないだろうか。
もちろん、上置きの方が使い勝手がいいが、光学ドライブの使用、ファンコンの設定や温度確認、SDカードスロットの使用等は頻繁に行うことではない。
また、前面に扉がある場合、扉を開けなければ、5インチべイにアクセスできないわけで、ある意味、前面扉を設置した時点で、5インチべイの使い勝手は悪いのである。
そのような状況であれば、下置きにしたところで、使い勝手が極端に下がることはないだろう。
前面から背面への直線的なエアフローを実現するためには、電源上置きにするか、5インチベイを含めて電源を下置きにするしかない。
どちらがマシな選択かと言えば、5インチベイを含めて下置きにする方がいいのではないだろうか。
そろそろ、PCケースメーカーも自作ユーザーも発想の転換をしてもいい時期なのではないかと思う。

この内部構成であれば、とりあえず、大きな問題点はない。
おそらく、次期「FT05」では、このような内部構成に変更してくるのではないだろうか。
FT04は、あくまでTJ08-Eの改良版であり、180mmファンを追加した構成に留まっているが、SilverStoneが本気で前面から背面への直線的エアフローを考えているなら、このような構成に必然的になるはずである。
少なくとも、FT04よりは使い勝手が良い内部構成なのではないだろうか?

ただ、実を言うと、個人的にはこの内部構成では、まだ不安な面があり、理想的なエアフローとは言えないので、「その2」で、ここからさらに改良案を考えてみたいと思う。

posted by PC_Considering at 14:28| PCケース企画案 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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