2012年09月08日

負圧を有効に活用する方法を検討する


これまで、正圧化することの有効性を語ってきたが、PCケースによっては、正圧化が困難であったり、可能であっても、CFMを計算し、ダストフィルターによるCFMの減少分まで考慮すると、やや難しいことがある。

そうであるならば、敢えて、負圧で使用してみたらどうか、という逆転の発想で負圧の有効性を検討してみたいと思う。

負圧の短所は、一般的に、ダストフィルター以外の通気口から空気が侵入することによる防塵性の低下と、主に背面通気口から排熱が逆流することによる冷却性の低下の2つである。

この2つの短所を解消できれば、負圧で使っても、大きな問題はないだろう。
また、主に吸気として使用される前面のファンを減少できれば、静音の面ではプラスになるはずだろう。
つまり、簡単に言えば、通気口による防塵性と冷却性の低下を防ぐことができれば、むしろ、吸気ファンが減って静音化できるので、無理して正圧化するより良いということになりそうだ。

しかし、簡単に言えばとは言ったが、実際には簡単なことではない。
まず、背面の通気口の対策が必要となる。
負圧の2つの短所を解決するには、背面の通気口を全て塞ぐことが必要だ。
もちろん、排気ファンとグラフィックカード等の拡張カードの排気口はそのままでいいが、それ以外の通気口を全て塞がなければならない。
拡張スロットについては、使用していないスロットのブラケットを市販の密閉型のものに変える。
そして、それ以外の通気口は、何かで全て塞ぐ。
まず、これが最低条件となるだろう。
これができれば、背面から埃が入ったり、排熱が逆流することはない。

続いて、前面の対策だが、5インチベイにダストフィルターがあることが条件となる。
ここにダストフィルターがないと、背面の通気口を塞いだ分、前面から吸気量が増えるので、5インチベイから埃が侵入しやすくなる。
したがって、5インチベイにダストフィルターが付いているPCケースでないと、なかなか実現は難しい。
問題は、DVDドライブ等の光学ドライブを設置している場合だが、もし普段使用しないなら、取り外して、必要な時は、外付けドライブを使用するのがいいだろう。
ダストフィルターが付いていて、なおかつ5インチベイを使用しないならば、基本的に前面からの埃はダストフィルター経由となるので、心配はないだろう。

続いて、側面だが、グラフィックカードを側面から冷却したいならば、吸気ファンを付ける。
もちろん、ダストフィルターが必要となる。
特にファンを付ける必要がないならば、ここも塞いでしまおう。
これによって、基本的に前面から自然吸気することになる。

ここまで書いたことが、今使用しているPCケースでできるならば、負圧にしてもいいと言えるだろう。
これで、前面ファンがなくても、前面のファン設置口、5インチベイからダストフィルター経由で防塵性が高い状態で自然吸気することができる。
しかも、5インチベイからも吸気できるので、CPUクーラーに直接風を流すことができるという利点がある。
これは、通常の正圧ケースではできない利点であり、無理なく、直線的なエアフローを実現することができる。
吸気の風量は、排気ファンの風量分だけ自然吸気となるが、吸気ファンがない、又は少ない分、吸気しにくいので、排気ファンの風量を通常よりも増加させる方がいいだろう。
背面と上面のファンであれば、回転数を上げて、風量を増加させても、静音性を損なうまではいかないと考えられる。

前面ファンについては、設置しておいてもいいが、5インチベイから自然吸気を増やして、CPUクーラーに風を直接流したいなら、いっそ前面ファンは設置しない方がいいかもしれない。

前面ファンを設置しなければ、その分静音化でき、比較的低いスペックの構成であれば、うまく調整すれば、冷却性、防塵性、静音性を備えた理想的なPCにすることも可能だろう。

以上のような条件、方法が可能であるならば、負圧も悪くないどころか、かなり利点が大きいことになる。

しかし、問題は、実現するには、かなり難しいことだ。
背面の通気口を塞ぎ、側面も必要ならば塞ぎ、5インチベイは使用せずに、しかもベイにダストフィルターが装備されていなければならない。
この条件を全て満たすのは、かなり大変なことだろう。
特に、5インチベイのダストフィルターについては、PCケースに付いていなければどうにもならない。
ダストフィルターがないPCケースの場合には、5インチベイを塞いで使用することもできるだろうが、直線的なエアフローは諦めるしかない。
また、光学ドライブ等を5インチベイに設置する場合には、ドライブの隙間から埃が侵入する。
しかも、背面を塞いでいると、負圧度が上がり、その分ドライブの隙間からの吸気量が増えるので、埃の侵入が多くなるので、負圧を有効に利用するなら、隙間を塞いで徹底した方がいいだろう。
これは、背面についても同様で、少しでも通気性があると、僅かな隙間から埃や排熱が侵入することになるので、やるなら徹底してやる必要があるだろう。

以上のように、かなり厳しい条件をクリアしなければならないが、PCケースによっては、比較的実現しやすく、特に、正圧化が難しい負圧ケースの場合は、割りきって負圧であることを有効に活用してもいいだろう。
例えば、AntecのP183のような負圧ケースの場合、正圧化を目指すよりも、負圧の良さを活かした方がいいかもしれない。

正圧化が無理ならば、発想を転換して負圧をうまく活かす方法を考えると、突破口を見出だせることもあるはずだ。

posted by PC_Considering at 15:53| エアフロー総論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。